精神疾患や気分障害などで
お悩みの方は
心療内科などでの
受診経験でこんな思いを
した事がある方も
いらっしゃるのでは
ないでしょうか。
本当に適正な診断なのか
薬を処方されたが
いまいち自分に合っているか
わからない
中には複数の医者にかかり
異なる診断をされた方も
いるでしょう。
「心の病」は診断名は同じでも
症状は個人で大きく異なるなど
未解明な点が多いのです。
そんな課題を解決するために
現在、全国規模で様々な情報を集め
国内初のデータバンク
「精神感レジストリ」の
構築がスタートしています。
INDEX
現在の精神疾患の診断では
「問診」で患者の状態を把握しています。
代表的な診断基準は「DSM-5」などです
その問診結果に基づき病名を決めています。
私も帯正しい数の問診チェックを記入したのを記憶しています。
患者の状態を分析し
病気のメカニズム解析や
治療薬の開発に役立てるための
データを取集して利活用するための
プロジェクトです。
国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センターと
精神神経学会が連携し
データ提供、利活用期間など
(大学、病院、製薬会社等)を会員とした
推進協議会を立ち上げております。
プロジェクト期間は
2021〜2023年度で
以後も独自の事業組織として
継続検討をしているとの事です。
予算は3年間で2億3400万円にのぼります。
- 精神疾患の病態に基づく個別化医療の実現
- 精神医療の標準化の促進
- 新薬開発の効率化向上 などです。
うつ病や統合失調症、双極性障害、
自閉症スペクトラムなど
様々な患者のデータを集め活用することで、
幅広い診断カテゴリーにまたがる
異常発生の生物学的メカニズムを
明らかにすることに繋がります。
患者の状態を何年にもわたり追跡します。
- 診断や治療が適切であるかなど?
- 患者本人の「満足度」は向上したのか?
- 薬の服用状況はどうなのか?
などの情報を収集します。
患者一人ひとりに合わせた治療
(個別化医療)を実現するために
データバンクが大きな役割を果たします。
医薬品開発企業にとっても、
レジストリデータは役立ちます。
研究開発や薬事審査で必要な情報を
レジストリデータから
得ることが可能になります。
神経・精神疾患は、患者数が年々増加するも
病態解明の難易度が高い。
また、緩徐進行性のため、
従来のプラセボを対照とした
短い期間(1 年程度)の RCT では
薬効評価が十分でない可能性が高い
そのため、レジストリを活用することで、
長期間の自然歴データを集積し、
実際の治療選択に役立つ
信頼性の高い情報を
得られることが期待されている。
「医薬品開発における疾患レジストリの現状分析と展望」より
つまり
「心の病」に悩む患者さんは
年々増加しているが、
精神疾患は未解明な部分が多く
病気の進行もゆるやかで
新薬開発の為の短い臨床試験では
薬の効果が十分に評価できない
可能性が高い為、
レジストリデータの活用は
信頼性の高い情報を得られ
医薬品開発への効果は期待が大きい
ということですね!
情報機器のスタートアップ企業との
連携や協力も大きな役割を果たします。
ウェアラブルデバイスを活用し
リラックス度合いやストレスと
関係が深いとされる「心拍の間隔」などを
常時計測しデータ解析するなど
その妥当性や有用性を検証していく
取り組みがスタートしています。
推進協議会と、製薬関連企業、
研究者の方々などの会員
そして、当事者とその家族等の協力による
データ提供や利活用によって
まさに“オールジャパン体制”で
構築を進めているのです。
精神疾患は幅広い
診断カテゴリーにまたがり
生物学的に症状を
解明することが求められます。
そのためには
大規模な疾患レジストリデータを
構築する必要があります。
多岐に渡る症例のデータ拡充が
喫緊の課題です。
問診での診断でなく
科学的エビデンスに
則った病気の診断や
処方する薬の判断が
できるようになり
治療の確実性向上に
期待が持てます。
同じ病名でもその症状や
快復経過には個人差があります。
患者一人ひとりに合わせた
診断や治療に役立つでしょう。
膨大なデータに基づく研究基盤と
科学的な解明による
新薬の開発効率化に
大きな期待が持てます。
私の診断名は「適応障害」でした。
上記の通り、「問診」によるものでした。
脳の中や精神回路を科学的エビデンスに
のっとって診断を下す訳ではないので
「…そうなんだ」という
腹落ちすることも無い
何とも言えない感情になりました。
こういった、納得感を得にくい現状も
解消されていくことを願います。
精神疾患患者が何の疾患で
どのような状態であるかを
集めたデータバンクです。
患者の治療に役立つ
研究開発に使われています。
精神疾患レジストリの構築が進んでいます。
未解明な点が多い精神疾患の
科学的な解明、医療の個別化、
新薬開発の効率向上などに役立ちます。
年々増加する「心の病」に悩む方の
心強い味方となることを期待します。